仕事のストレスが全くない!と言い切れる人は、おそらくこの記事にたどり着くことはないと思います。皆さん、何かしらストレスを感じつつ、どうしたら良いものか…と考えている人が多いでしょう。
2020年の厚生労働省の調べでは、仕事や職業生活に関する事で強い悩み、ストレスを感じている労働者は全体の54.2%。そう、半数を超えています。2人に1人は確実に強いストレス下で生活していることがわかっています。これを読んでくださっている方も、該当するのではないでしょうか。
今回のテーマは仕事のストレス。精神科に来院される患者さんで、仕事のストレスを抱えておられる方はとても多いです。ストレスからうつ病を発症するリスクも高いため、病気になる前に早めに気付いて対処できると良いですね。今回の相談はお仕事にお悩みのDさんです。
会社員をしています。少しずつ任される仕事が増えてきて、就業時間内に終わらず、残業が続いています。。頑張ってやってはいるんですけど、終わらなくて。家に帰っても仕事のことを思い出したりしてしまいます。
Dさん、とても真面目に仕事に取り組んでいらっしゃるんですね。でも、かなり仕事のストレスが大きいように感じます。何にストレスを感じてこのような状態になっているのか、整理してみましょう。
ストレスの内容を詳しく見てみると、
1位「仕事の質 ・ 量」(56.7%) 2位「仕事の失敗、責任の発生等」(35.0%) 3位「対人関係(セクハラ ・ パワハラを含む。)」(27.0%) 【令和2年厚生労働省調べ】
僕の場合は、1位の仕事量と2位責任の発生に当てはまってますね。同じ悩みを持っている人って、こんなに多いんですね〜。
そうですね。仕事の質というは少し分かりにくい言葉ですが、例えば「専門的な知識が必要な仕事が多い」とか「集中力が必要で大変」と言った悩みに当てはまります。Dさんはいかがですか?
ありますね〜。やはりそれなりの知識と勉強は必要で、集中力が欠けてしまうとミスに繋がったりするので、その辺りもストレスになっている気がします。
良いですね。少しずつストレスが細分化してきましたね。まずは自分が何に対してストレスを感じているかを考えてみることが大切です。それを踏まえた上で、ストレスの軽減法を見てみましょう。
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タスクを管理する
仕事量が多く、時間内に終わらない場合、まずは仕事のタスクをリストアップすることが必要です。全体量をきちんと確認します。そして、優先順位の高い順に仕事をこなしていきます。そうすることで、一つのタスクに集中することが出来ます。タスクには終える時間を設定し、出来るだけそれを守るようにしましょう。時間は限られています。その時間の中で最大のパフォーマンスをすること、それがあなたに求められていることです。
このようにタスク管理することで極力残業を減らし、仕事とプライベートを分けます。プライベートでは、趣味やリラックスできる活動を楽しみましょう。趣味がないという方は、散歩や適度に体を動かすことがおすすめです。頭を使った後は体を使う、このバランスが心身の健康を保つことに繋がります。
タスク管理、、、最近は忙しいことを理由にグダグダになってました。とりあえず目の前のことをこなす、みたいになっていました。余裕がある時はスケジュール管理していたんですけど…。
忙しい時こそ、タスク管理は有効ですよ。そして、それが出来ないくらい余裕が無くなっていたということにも気づきましたね。
断る力と助けを求める
タスク管理をして、少しずつ仕事がこなせるようになったが、やはり仕事がおわらない…という人は、今度は周りの力を頼りましょう。あなたが仕事で忙殺され大変な状況にあることを同僚や部下、上司の方は知っていますか?まずは知らせることから始めてください。一人でやれる仕事には限界があります。納期に間に合わなかったり、ミスが出ることは会社全体のネガティブイメージに繋がります。そうなる前に、まずは声をあげ、共同作業やサポートを通じて問題解決を行います。
自分一人で抱えていますね。なかなか周りに相談できなくて。周りも皆んな忙しそうだし、自分だけじゃないというか。
忙しさ≠余裕がない 忙しそうに見えても、案外平気な人も中にはいます。人の状況は外から見ただけでは分かりません。困っていることをまずは少し伝えてみましょう。
心理学における“アサーション:自己主張”は日本人は非常に苦手なスキルと言われています。自分の意見を適切に表現することは自分を守る上でも大事なことです。アサーションスキルは色々とありますが、以下をテンプレートにして練習してみてください。
「私は_______の状況にあります(Iメッセージ)。
そのため、_______対応をしてもらいたいのです(具体的な要求)。
そうすることで______は納期に間に合わせることが出来ると考えます。」
また、仕事の負担を減らすために、新たなプロジェクトを受ける前に、自分の限界を認識し、断るスキルも磨きましょう。
断るスキルも苦手な人が非常に多いです。これも一つテンプレートを作ってみたので、自分なりにアレンジしながら使ってみてください。
「そう言ってもらえるのは有り難いのですが(感謝の表現)、
現在はスケジュールが非常に忙しいため(断りの具体的理由)
今回は協力できませんが、別の機会なら力になれると思います(柔軟な提案)
申し訳ありませんが、この度はお断りさせてください(断りを明確に伝える)
また他の機会に声を掛けてもらえると有り難いです(敬意を示す)」
テンプレがあると、少し言えそうな気がしてきました。とりあえず練習!ですね。
今の自分から少し変えてみる、その意識が大切です。
職場環境を快適にする
最後は、職場環境を快適にし、ストレスを減少させるためにできることを考えてみましょう。例えば、快適なクッションや良好な照明も助けになります。推しのいる人は、推しグッズを置くのも良いでしょう。その他、家族やペットの写真をデスクに置いている方もいらっしゃいますよね。モチベーションアップに繋がる環境を心掛けてみましょう。HSP傾向のある方は、自分にとって肌触りの良いものや癒しグッズを側に置いてあげると良いです。
これはすぐにでもやってみたいです。僕はキレイな風景をみると癒されるので、お気に入りの写真を置いておこうと思います。
良いですね。自分で出来そうなところから取り入れてみてください。そうすることで、あなたのストレスが緩和されてくると良いですね。
こういった対処法でも解消されなければ、専門家へ相談することをお勧めします。
まとめ
3つの方法をお伝えしましたが、「そんなのもう全部やった」「どれも無理」と感じる方は、今の職場、仕事が適切ではない可能性があります。今や転職は当たり前の時代になっています。もし、今の会社に強いストレスを抱えているのであれば、環境を変えることをお勧めします。あなたを尊重し、あなたの力がきちんと発揮できる場所は必ずある!と信じます。
くらしま心の相談室では、仕事のストレスや対人関係、自身のお悩みなど幅広く対応しております。お気軽にお問い合わせください。
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