<本レビュー>スマホ脳から学ぶこと

心理系コラム

2021年最も売れた本と言われている『スマホ脳』(アンデテュ・ハンセン著/久山葉子訳)

スウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセン氏が診療経験や医学的な見地からスマホの恐怖にメスを入れた一冊となっています。

スマホ脳 (新潮新書)
アンデシュ・ハンセン | 2020年11月18日頃発売 | ジョブズはわが子にiPadを与えなかった?! うつ、睡眠障害...

アンデシュ・ハンセン氏とは?

TUTTLE-MORI AGENCY より

1974年生まれ(2022年で48歳)

脳に関する著書を出しており、スウェーデンでは90万部以上を売り上げるヒットになっています。

『スマホ脳』はスウェーデンのベストセラーとなっています。

容姿端麗のためか、メディア出演も多い精神科医の1人です。。

1日2600回スマホに触っている

スマホで調べものをする時、SNSをチェックする時、通知が来た時など、皆さんは、1日どれくらいスマホに触っていると思いますか?

こちらの書籍では1日平均して2600回スマホに触っているとされています。

この数字ではパッと分かりにくいと思いますが、割合からすると10分に1回となります。

その頻度であれば触れているという自覚のある人が多いのではないでしょうか。10分に1回、1時間に6回、トイレに行く回数より断然多いです。それだけ作業中や合間の時間にスマホに時間を取られていることが伺えます。

スマホの悪影響 ①不眠

私たちはスマホを見ると、ドーパミンが放出されます。

ドーパミンは欲求を促すホルモンです。

スマホに通知が来ただけで、「スマホを見たい!」という欲求が高まり、ドーパミンが放出されます。

このドーパミンが出てしまうと、睡眠を妨げる要因となってしまい、入眠障害や中途覚醒などの症状に影響してきます。

もう1つ、スマホのブルーライトに反応し、脳が目覚めてしまうことで睡眠が妨げられてしまいます。

どちらの点からしても、スマホが不眠に与える影響は大きいようです。

スマホの悪影響 ②うつ病

スウェーデンでは大人の9人に1人が抗うつ薬を使用しているというデータがあります。

うつ病の要因の1つがスマホではないかと著者は指摘しています。

特にSNSの利用で、私たちは多くの人と比べることで自信を失い、自尊心を低下させています。

そういったストレスが抱えきれなくなり、うつ病に陥りやすくなっているのです。

ハンセン医師はうつ病について「不安や感染症などの危険から自分達を守ってくれる術」と捉えることを説いています。

デジタル時代のアドバイス

本書P244〜P249にはデジタル時代のアドバイスが細かに書かれています。

全部読むのが大変、と思われる方はこの部分だけでもOKです。

箇条書きにしてあり、とても分かりやすいです。

特に子供や若者に対しては伝えておきたいことばかりです。

子供たちはまだ脳も体も発育しきっていないため、依存性が高まりやすい傾向にあります。それはアルコールやタバコが20歳以下で規制されていることと同じことです。

これからの社会、デジタル機器なしで生活していくことは不可能です。

だからこそ、どのように付き合っていくかを考えていくことが必要なのです。

守るべき3つの条件

本書に出てきた3条件。しかし、すぐに実行するのは難しいこともあるでしょう。

出来れば赤字、難しければ青字を目指してみましょう。

  • スマホは1日2時間まで  →1〜2時間オフにする
  • 睡眠時間は9〜11時間確保する。 →寝る1時間前にはスマホを見るのを止める
  • 1日1時間体を動かす →週に3回45分

スマホのもたらす怖さについて少し警鐘を鳴らしたいと考えます。

もちろん、スマホには恐怖だけでなく、素晴らしい機能がたくさんあります。

素晴らしさの裏側に怖さがあることを私たちは自覚していかなければなりません。

気になる方は読んでみてください。「スマホ脳」を読んで以来、電子版より、紙版をオススメいたします。

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