私は心理士として乳幼児健診で子育て支援に携わっています。カウンセリングでも、子育てのお悩みを抱える親御さんからの相談はとても多いです。
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少し時間が取れる方は詳しくお読みください。
子供を育てるお母さん、お父さんは、毎日仕事、家事、育児で非常に忙しく、
・自分の時間が取れない
・休む時間がない
・ストレスが溜まっている
と言う声が沢山聞かれます。その中の多くの場合、
・今は子供が小さいから仕方ない
・自分が我慢するしかない
・みんなやってるんだから、自分もやるしかない
と、その状況を自分が我慢することでやり過ごそうとする傾向が強いです。これは、「耐えることは大切なことである」と言う日本人らしい考えでもあります。それも、一理はありますが、ここで考えてもらいたいのは、「困りごとは一つも解決していない」という現状です。我慢することでは、自分の時間も生まれないし、休む時間も発生しないし、ストレスも溜まったまま、と言うわけです。
お悩みをお聞きしながら思うことは、どのようにして休憩するか、手を抜くか?という問題です。
人生を登山に例えることがあります。私自身、登山を多少嗜むことから、子育ても登山からヒントを得られることがあります。登山のお話から、子育てのヒントをお伝えしたいと思います。
初めは頑張れるが、その後は疲労が増してくる
登山も登り始めは一番キツい、そしてワクワクした高揚感もあります。心理学では初頭効果と言われ、人は誰しも、新しいことを始めた時には、自分の最大限の力を発揮して頑張ってしまう傾向があります。
子育ても同じようなことが言えるのではないでしょうか。お母さんであれば、新生児期には睡眠時間を削りながら赤ちゃんと向き合う日々を送ります。赤ちゃんが産まれて最初だから出来ることでもあるのかもしれません。
育児でも、登山でも初頭効果はいつまでも続かず、次第に疲れが出てきます。
登山では、疲れをもった登り続けてしまうと、体力は尽き、楽しさよりも苦しさが勝ってしまいます。
目安があると休憩しやすい
疲れてきた時に、「休憩をいつにとるか?」と言う問題に当たります。
山には○合目と目安があり、その地点で休息をとることが多いです。あまり疲労感がなくても、腰を下ろすことで「足が大分重くなってきてるな」とか、「汗をかいてきたから上着を脱ごう」とか、自分の体調に気づくことができます。
仕事でもお昼休憩がきちんと決まっています。子育てでも休憩を決めてあげると、それは日々を頑張る励みにもなると思います。
理想的には週に1回、月に1回、1日の終わり、など自分自身で休息日、休息時間を設けられると良いです。
休憩の効果は、気づきと補給と回復
休憩することは、一時立ち止まることで、自身の体調に気づくことができます。
登山では、休憩時水分や糖分を補給し、目標時間を見直したりして、再スタートします。
身体的な回復と同時に、「ここまで登れた」と評価してみたり、「あともう少しだ」と元気づけることで、精神的な回復にも効果があります。
休憩することで、自分の体調に気づき、補給し、回復することが出来ます。これを繰り返すことで、登山を成功させることができるのです。
子育てを続けていくためには、まずは一時的にでも休憩をとることが大切です。それは、日頃の気づきとなり、自身に足りないものを補い、回復することで、また続けていくことができるのです。
休憩をとるのも練習が必要
登山でも休憩では、水分と糖分を補給します。腰を下ろして、休憩することもありますが、歩きながら水分とったり、お菓子を食べたりすることもあります。
私は最初歩きながらお菓子を鞄から出したり、食べながら歩くと言うことがスムーズに出来ませんでした。登山を経験する中で、練習したり、食べやすいものを選んだりすることで、効率的に補給出来るようになってきました。
休憩も練習が必要なのです。自分にとって、何をしたら休憩になるのか?何を食べたら、心が休まるのか?どんな時間の過ごし方をしたら落ち着くのか?皆さんはご存知ですか?
ただ体を休めたら良いと言う人と、人と話すことでスッキリする人など、人によって様々です。
そして、休憩も試してみることが大切です。結婚後、出産後、ライフスタイルの変化により、休憩や発散の仕方も変わってきている可能性があります。
おすすめの休憩
<体を大事にする>寝る、散歩にいく、温泉に行く、ストレッチ など
<心を大事にする>ペットを可愛がる、アロマを楽しむ、好きなドラマを見る、SNSを見る など
<行動をすることで大事にする>甘いものを食べる、飲酒、旅行、友達に会う など
上記は一部ですが、自分に合うものを選んで試してみてください。「そんな時間ない!」「そんなことに使うお金はもったい無い」と思う方は、短時間でお金をかけずに出来る方法を3つ紹介します。
①筋弛緩法・・・人は不安や緊張時に力が入ってしまいます。筋肉を意識的に緊張させた後が一番力が抜けるのです。肩をギューっと上げてパッと下に下ろす、目をギューっと閉じてパッと開けるなど。繰り返しやってみましょう。
②呼吸法…448呼吸法(4秒吸って、4秒止めて、8秒で吐き出す。詳しくはこちらで紹介)や、大袈裟に息を吐きまくることで、呼吸を使ってリラックスを図ります。
③瞑想法…目を軽く閉じて、頭の中を空っぽにする。短時間でもOKです。
どこで手を抜けるか考えよう
休憩と同様、日頃から力の抜きどころを考えておきましょう。
・家事で手を抜く…惣菜に頼る、掃除を1日飛ばす、便利な家電を購入 など
・育児で手を抜く…TVや動画を見せる、祖父母に預ける、新しいおもちゃを買っておく など
・仕事で手を抜く…有休・時間休を使う、人にお願いする、など
少しずつでも手が抜けると、空いた時間が生まれ、休憩することができたり、リフレッシュすることができます。
ここで大事なことがあります。それは「手を抜いたことを後悔しない」ことです。よくあるのが、「あぁ掃除サボっちゃったから、こんなに汚れてしまった」とか、「子供の相手をしなくて申し訳ないな」と言う後悔です。これでは逆効果になり、「やっぱり自分が我慢しないといけない」と言う気持ちにつながってしまいます。
むしろ手を抜くことが出来た自分を評価しましょう。「今日は上手く手抜きができたな」「楽が出来た〜」とか、肯定的に評価することが大切です。
完璧主義の人は特にこの手抜きが苦手だと言われます。そんな時は「まぁいっか」と口に出してください。「まぁいっか」が上手く使えるようになると、完璧主義の鎧が少しずつ取れてきます。
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