「明日は大事な試験なのに、全然眠くない…。」「どうしても色々考えてしまって、寝れない…」皆さんも、1度や2度は、こういった経験があるのではないでしょうか?今回は不眠に悩むEさんとお話ししました。
2週間前から、何だか眠れないことが多くなっています。寝付きに時間がかかって、睡眠時間も少なくなっています。朝もボーっとしたり、仕事中もウトウトしてしてしまいます。どうにか改善させたいのですが。
Eさん、ご自身の不調によく気付かれましたね。不眠は放っておくと、「睡眠負債」と言って、大きな不調に繋がることがあります。今の段階で改善していけると良いですね。まずは、どうして「眠れない」と言う状態になるのか、簡単に説明しておきましょう。
なぜ眠れないのか?
体のメカニズムで説明すると、体の状態が覚醒から睡眠に移行するためには、自律神経系が、交感神経優位から副交感神経優位に切り替わる必要があります。
交感神経が優位なとき
- 緊張、不安、ストレスを感じる
- 口が乾く、目が乾く
- 熱がこもったり、体温調節がしにくい
- 動悸、息苦しい
副交感神経が優位なとき
- リラックスしている
- 癒しを感じたとき
- だるい、起きれない
- 食後にゆったりしているとき
交感神経は主に日中活動している時に優位になり、夕方から夜にかけて、副交感神経が少しずつ優位になっていきます。そして、夜には眠気が出て眠りにつく状態へと導いてくれます。
この交感神経→副交感神経への移行が上手くできず、眠れないと言う状況を引き起こしてしまうのです。
「どうしたら寝れるのか?」と考えてしまうことは、緊張が高まって、交感神経が優位な状態へと進みます。眠るためには、とにかくリラックスすることが必要です。
生活習慣と睡眠環境を整える
睡眠に大敵なものは、アルコールとカフェインです。人によっては無関係と言われる方もいらっしゃいますが、少しでも「眠れない」と感じる方は、アルコールとカフェインは就寝の4〜5時間前から控えましょう。
その他、生活習慣としては、同じ時間に寝るようにリズムを作ったり、日光を浴びる、適度な運動などが挙げられます。
また、睡眠環境としては、寝具やパジャマ、温度設定も大切です。快適さを保つには湿度も大事なので、除湿機や加湿器で調整してみるのがおすすめです。
特に生活習慣や睡眠環境は今までと変わりないんです。でも、眠れない日が増えていて、どうしたら良いですか?
Eさんのように、習慣や環境に問題がないと言う方は、次にお話しする3つの方法を試してみてください。
4−4−8呼吸法
呼吸を整えることで、副交感神経を優位にすることができます。呼吸の基本は”腹式呼吸”です。鼻から大きく息を吸って、お腹をふくらませ、口からゆっくりと息を吐きます。リラックスしたい時は、息を吐くことを意識することが大切です。
息をする際に数を数えることで、より呼吸に集中できるようになります。呼吸法のカウントにはいくつも種類があるのですが、一般的には4−4−8呼吸法が良いと思います。
① 4秒数えながら、鼻からゆっくり息を吸います。お腹が膨らむことを意識しましょう。 ② 4秒間、息を止めます(無理がないよう注意!) ③ 8秒数えながら、息をゆっくり吐きましょう。
*ポイント*
呼吸が苦しくなるカウントは止めましょう!息を止めるのが苦しく感じる方は、4秒吸って、8秒で吐くのでもOKです。自分がリラックス出来るような呼吸を見つけていきましょう。同じリズムが取れるようになったら、それをしばらく繰り返します。次第に副交感神経が優位になり、眠りへと誘ってくれます。
*4−7−8呼吸法
こちらは、内科医アンドリーワイル氏が考案した呼吸法で、睡眠に効果的と言われています。呼吸の仕方は上記と同じです。②の息を止める秒数が7秒と比較的長く感じるため、慣れない人は息苦しく感じることもあるようです。苦しく感じた時は、カウントを短くして調整してみましょう。
呼吸法や瞑想は日常生活では馴染みがない方も多いと思いますが、効果が実証されており、著名人やアスリートも取り入れている方法です。メンタリストのDAIGOさんもおすすめされていたので、リンクを貼っておきます。
54321法
また数字?と思われるかも知れませんが、今度はまた違った方法をご紹介します。
こちらは自己催眠技法の一つです。睡眠以外でも、パニック発作、フラッシュバック、イライラ、など様々な症状で効果があると言われています。
① 目見えるものを5つ見つけて、声に出して言います。 例:「スマホ、テレビ、まくら…」 ② 感じるものを4つ見つけて、声に出して言います。 例:「腰がだるい、布団が暖かい、風が冷たい…」 ③ 聞こえるものを3つ見つけて、声に出して言います。 例:「時計の音、車が通る音、寝息…」 ④ 匂いを感じるものを2つ見つけて、声に出して言います。 例:「アロマの匂い、服の匂い」好きな匂いでもOKです。 ⑤ 味わえるものを1つ見つけて、声に出します。 例:「少し苦い」「無味」そんなのもOKです。
54321法では、視覚→触覚→聴覚→嗅覚→味覚の順に、五感に意識を集中していくやり方です。そう思うと覚えやすいと思います。
*ポイント*
数を気にし過ぎて「4つも出てこない!」なんて思う必要はありません。「何があるかな〜」とゆっくりと感覚に意識を向けることが大切です。
認知シャッフル睡眠法
今度は頭に単純作業をさせることで、眠りやすい状態にするやり方です。頭が活発に働いているうちは、『まだ寝てはいけない』と脳の状態も”働くモード”になっています。単純作業や緊張感の少ない作業をしていると、脳の状態が”おやすみモード”に切り替わっていきます。仕事でも単調な作業をしていると眠気に襲われるのはこのためです。睡眠の場合はこの作用をうまく使ってあげましょう。
① 単語を1つ思い浮かべます。 例:「ようふく」 ② 1の単語の頭文字のつく言葉を思い浮かべます。 例:「ようかん、よよぎ、ようせい…」 ③ 思い浮かばなくなったら、次の文字のつく言葉を思い浮かべます。 例:「うさぎ、うま、うめ、うそ」 ④ 思い浮かばなくなったら、次の文字、その次の文字と同じことを繰り返していきます。 例:「ふすま、ふく、ふろ…」「くるま、くれよん、くすり…」 ⑤ 最後の文字まで終わったら、また次の単語を1つ思い浮かべて1〜繰り返します。
カナダの認知学者リュック・ボードウィン博士によって考案された睡眠法です。少し前にひろゆきさんもブログで紹介されていました。
*ポイント*
ネガティブな言葉は思い出さないことです。言葉を思い浮かべることで、それにまつわる連想も想起されることがありますので、ネガティブなイメージは避けましょう。
まとめ
今回は眠れない時にやってみてほしい3つの方法についてご説明しました。
とりあえず、最初の呼吸法からチャレンジしてみようと思います!
実は眠るのもスキルです。いざという時のために日頃から練習しておくこともお勧めします。それでも眠れない日が続くのであれば、病院で睡眠薬をもらうことをお勧めします。市販薬もありますが、きちんと処方してもらった方が効果が期待できます。
考えすぎるとまた交感神経が働いてしまいそうですもんね。対処法を知っておくこと、薬を使ってみること、この辺りは眠れない時のお守りになりそうです。
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