最近、家庭や職場での人間関係に関するこのような相談が増えています。
「何回言っても伝わらない」
「言ってしまうと、ケンカになってしまう」
「わかってもらえないと、悲しい気持ちになる」
こういったこと、みなさんにも経験があるのではないでしょうか?
今日は、具体的なお悩み例から、解消する秘訣をお伝えします。ぜひ最後までご覧ください。
【お悩み①】 子どもが言うことを聞きません
5歳の子どもをもつ、お母さんからのお悩み。
「遊びが終わったら、おもちゃを片付けるようにいつも言っています。終わりの時間が来ても、テレビを見たりして、いつまでも片づける気配がありません。最終的に、「なんでなの?毎回言わないとダメなの?💢」と、つい感情的になってしまいます。」
小さい子どもをお持ちの親御さんにはよくあるお悩みです。
大人が感情的になれば、子どもも気持ちがあふれ、怒ったり、泣いたりすることでしょう。また親御さんの中には、「また言ってしまった、、、」という後悔の気持ちや、自己嫌悪になる人もいます。
【お悩み②】 パートナーがお願いごとを忘れます
結婚して2年目の女性からのお悩み。
「共働きですが、家事は主に私がやっています。ある朝、早出だったので、ゴミ出しを夫にお願いして家を出ました。帰宅後、玄関に出されていないゴミ袋を発見。帰ってきた夫に対して、「なんで忘れるの? 本当にだらしない!」と怒りが爆発してしまいます。」
家族、パートナーでも、共同生活をする中で、こういった場面は増えてきます。
感情的に言ってしまうと、ケンカになったり、家庭内に不穏な空気が流れたりするでしょう。言った方も言われた方も、気分が悪い、、、そんなことも想像されます。
解決の秘訣はこの2つ💡
①状況を整理する
②主語を「わたし」にして伝える
これに加えて、具体的な提案までできると、さらに効果的です。
これはアサーショントレーニングという技法です。こちらのコラムでも少し触れています。
アサーショントレーニングとは、自分の意見や感情を正しく表現しつつ、相手の意見や感情も尊重するスキルを身につけるトレーニングです。
スキルはいくつかあるのですが、今回はこの2つに絞りました。
①状況を整理する
状況を整理することで、感情と距離をとることが出来ます。
事実「子どもがおもちゃを広げて遊んでいる」
子どもの思い
「こっちのおもちゃは〜で、こっちのおもちゃはーで全部必要だから出している」
親の思い
「片付けもしないで、自分のしたいことばかりしている」
事実はひとつであっても、それぞれ思いが違うことはよくあります。まずは自分の状況を整理して正しく伝えることを意識してみましょう。
②主語を「わたし」にして伝える
“IーMessage”(アイメッセージ)と呼ばれ、主語を「私(I)」にして話す伝え方です。自分の気持ちや、考えを正直に表現しつつ、相手を責めずにコミュニケーションをとる方法です。
反対はYouーMessage”(ユーメッセージ) 「あなたは〜」で始まる伝え方です。お悩みの場面では、相手を責めることになり、感情的になり、問題の解決から遠ざかってしまいます。
+具体的な提案
問題をどう解決したら良いか、具体的な提案まで伝えられると、完璧です。
お悩み①の場合、子供が自分で片づけてくれるためにはどうしたら良いのか?というのが問題
お悩み②の場合、パートナーが忘れずにゴミ出しをしてくれるにはどうしたら良いのか?というのが問題
感情をぶつけるだけでは、問題解決になりません。相手が問題解決を一緒になって考えてくれるためには、最後まで話し合い出来ないとダメなのです。相手に「どうしたら良いと思う?」と聞くのも一つですが、「私はこう思うんだけど、あなたは?」の方が、より一緒に考える姿勢が伝わって良いです。
お悩み① 伝え方を変えてみよう
【お悩み①】子どもが片付けをしない場合
「なんでなの?毎回言わないとダメなの?💢」→伝え方を変えてみましょう。
①状況を整理する:
「片付けがされていないのを見て」
②主語を「わたし」に:
「私もちょっと疲れてしまった」
+具体的な提案:
「どうしたら楽に片付けられるか一緒に考えよう」
これを使うと、次のような表現になります:
「今日は仕事で疲れて、片付けられていないのを見て、私もちょっと疲れてしまったよ。どうしたら楽に片付けられるか一緒に考えよう。」
これだと、一方的に責めたということにはなりにくいですね。子どもも、「あ、しまった」と反省したり、次はどうしたら良いかにつながっていけると良いですね。
お悩み2 伝え方を変えてみよう
【お悩み②】パートナーがお願いごとを忘れる場合
「なぜいつも忘れるの? 本当にだらしない!」→伝え方を変えてみましょう
状況を整理する:
「頼んだことを忘れられると」
主語を「わたし」に:
「私が一人でやっているようなので辛く思います」
具体的な提案:
「どうしたら忘れないで一緒に考えたいな」
これを使うと、次のようになります:
「頼んだことを忘れられると、私が一人でやっているみたいで辛く思っちゃうんだよね。どうしたらうまく分担出来るのか、一緒に考えたいな。」
これも自分の気持ちを伝えることに成功していますね。相手によっては、『そんなネガティブなこと言わないで』と言われることもあるでしょう。しかし、それはユーメッセージです。あなたは、アイメッセージで「私はそう思ったんだ」とその日は再度伝えることが出来れば素晴らしいです。相手のユーメッセージにのってしまうと、ケンカになります。賢いあなたは、アイメッセージで話を終えましょう。
あなたが本当にしたいことは?
あなたは相手を責めたいですか?
あなたは感情をぶつけたいのですか?
どちらも違うと思います。あなたがしたいのは、
・自分の気持ちを伝えること
・問題を解決すること
この2つのはずです。ケンカや言い争いはしたくないし、お互いに歩み寄って、気持ちよく過ごしたいと考えていると思います。
伝えるスキルは練習で身につく
最初は言葉を選ぶのが難しいかもしれません。「また感情的になってしまった」ということもあるでしょう。でも、続けていくこと、少しでも意識することで、伝えられるようになります。パッと見て感情的になってしまう人は、一度そこから離れて、距離をとってみたり、考える時間を置いても良いでしょう。
あなたが意識することで、相手もあなたの言動に気づくこともあると思います。そうやって、少しずつ歩み寄っていくことが、コミュニケーションを図る上で、大切なことです。
まとめ
「なんでわかってくれないの?」と感じることは誰にでもあります。でも、相手との関係を大切だと思うなら、自分の伝え方を少しだけ工夫してみませんか?それが、ケンカではなく前向きな対話を生み出すポイントです。
相手の心に届く伝え方、実践してみてくださいね✨
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